生命保険を切り替えようと申し込んだら、過去5年以内の告知内容で引っ掛かり、
血液検査と尿検査の結果資料が必要となった。血液検査の結果は献血により入手済みなので、問題は尿検査である。
もう3年以上は健康診断というものを受けていない。改めて尿検査だけ受診するかとも思ったが、折角の国民健康保険がきかないのもシャクである。そこで
“最近発熱することが多くなった”ということにして、海老名の
東日本循環器病院に行った。(必ずしもウソではないのだ)
自分自身が“大病院”にかかるのは本当に久しぶりで、前回は少なくとも10年以上前であることは間違い無い。最新設備の数々にショックを隠せず、待ち時間は病院内をウロウロと歩き回っていた。
まず最初のショックは
電話予約が出来ること。この東日本循環器病院は、
海老名総合病院と
海老名メディカルプラザと共にアライアンスを形成。共通の番号に電話して症状を告げると、
3つの病院から最適な診療科を選定して予約を取ってくれる。
2番目は全ての
患者が番号で管理されていること。最も新しい海老名メディカルプラザでは、口頭での患者呼出しはほとんど無し。液晶モニタに患者番号が表示されるだけなのだ。静かで結構ではあるが、目の悪い高齢者にとっては少し不便かも知れない。要するに
「個人情報保護法」の影響のひとつである。
3番目は
手書きのカルテが無いこと。医者は、患者に分からないドイツ語でカルテに診断内容を書き込むものと思っていたが、今は全然違う。パソコンのキーボードで
カルテのデータベースに直接打ちこむのだ。それも日本語で。思わず画面に見入ってしまった。プルダウンメニューで選択入力する項目も多く、尿検査の結果もボタンをクリックするだけで印刷される。
医者である必要があるのかと思ってしまうほどの作業だ。
「ずいぶん便利になりましたねえ」と言ったら、担当医は
「でも画面ばかり見てしまい、患者さんの顔をあまり見なくなりました」と困惑気味。確かに視診がオロソカになれば大問題である。
医術とは何ぞや。チャングムを思い出した。